労働条件通知書の改訂はお済みですか?
~2024年4月から労働条件明示のルールが改正されます~
労働条件明示ルールとは、労働基準法第15条に規定されており採用の際に労働契約の期間や労働時間に関するルール、賃金に関することなどについて書面(労働条件通知書)で明示しなければならないというものです。
労働基準監督署による定期監督でもよく指摘される項目で東京労働局発表の「東京都内の労働基準監督署における令和4年の定期監督等の実施結果」によると労働条件明示違反事業場数は1,478件で主な労働基準法違反総数の16.3%を占めています。
2024年4月1日以降の契約締結・契約更新から現行の明示事項に加え下記3項目が追加され、適用されることになっています。
正社員のような契約期間に定めのない契約(無期労働契約)は1項目だけが対象ですが、契約社員、パート・アルバイト、定年再雇用者など、契約期間を定めている労働契約(有期労働契約)は3項目すべてが対象となりますので要注意です。
<すべての労働者が対象>
1.就業場所・業務の変更の範囲
(1)概 要:就業場所・業務の内容に加え、これらの「変更の範囲」についても明示が必要。
(2)明示のタイミング:すべての労働契約の締結時と有期労働契約の更新時
<有期契約労働者が対象>
2.更新上限の有無と内容
(1)概 要:有期労働契約の更新上限(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容の明示が必要。
※併せて、最初の労働契約の締結より後に更新上限を新設・短縮する場合は、その理由を労働者にあらかじめ説明することが必要です。
(2)明示のタイミング:有期労働契約の締結時と有期労働契約の更新時
3.無期転換申込機会及び無期転換後の労働条件
(1)概 要:同一の使用者との間で有期労働契約が通算5年を超えるときは、労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に
転換する制度(無期転換ルール)により無期転換の申し込みが可能であること(無期転換申込機会)の明示が必要。
また、無期転換後の労働条件の明示が必要。
(2)明示のタイミング:無期転換ルールに基づく無期転換申込権が発生する契約の更新時
労働条件明示ルールは、入社後に思っていた労働条件と違っていて退職してしまうといったトラブルを予防するためのルールでもありますので、
改正項目だけでなくその他の項目についてもこの機会に見直しておきましょう。