2025年6月1日より職場における熱中症対策が強化されます
~熱中症者の早期発見体制整備等の措置が義務化へ~
今年も暑くなることが予想され、例年熱中症の発生が相次いでいることから職場の熱中症予防のため5月より「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」が実施されます。また、今年は労働安全衛生規則が改正され6月1日より熱中症対策の強化が行われることとなっています。
過去の熱中症死亡災害のほとんどが、「初期症状の放置・対応の遅れ」であると分析されています。
出典:厚生労働省_パンフレット「職場における熱中症対策の強化について」
https://jsite.mhlw.go.jp/toyama-roudoukyoku/content/contents/002212913.pdf
そのため、今回の改正では熱中症のおそれがある労働者を早期に見つけ、その状況に応じ迅速かつ適切に対処することにより熱中症の重篤化を防止するため「早期発見のための体制整備」、「重篤化を防止するための措置の実施手順の作成」、「関係作業者への周知」を会社へ義務付けています。
1.報告するための体制(連絡先や担当者)の整備と周知
熱中症を生ずるおそれのある作業を行う際に、
- 「熱中症の自覚症状がある作業者」
- 「熱中症のおそれがある作業者を見つけた者」
がその旨を報告するための体制(連絡先や担当者)を事業場ごとにあらかじめ定め、関係作業者に対して周知すること
2.症状悪化防止に必要な措置や実施手順の取決めと周知
熱中症を生ずるおそれのある作業を行う際に、
- 作業からの離脱
- 身体の冷却
- 必要に応じて医師の診察又は処置を受けさせること
- 事業場における緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先及び所在地等
など、熱中症の症状の悪化を防止するために必要な措置に関する内容や実施手順を事業場ごとにあらかじめ定め、関係作業者に対して周知すること
上記対応を怠った場合には罰則「6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金」が適用されます。また、この措置の対象となる「熱中症を生ずるおそれのある作業」とは、「WBGT(湿球黒球温度)28度又は気温31度以上の作業場において行われる作業で、継続して1時間以上又は1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれるもの」とされています。
熱中症による死傷病は、労使双方にとってデメリットしかありませんので罰則や措置の対象作業にかかわらず、幅広く対応を進めていくことが望ましいです。
熱中症が疑われる症状にはどういうものがあるのかなども知っておかないと対応できませんので厚生労働省のパンフレットなどを活用し従業員へ周知しておくとよいでしょう。
出典:厚生労働省_パンフレット「職場における熱中症対策の強化について」