完全失業率について

完全失業率は、有効求人倍率とならび国内の雇用状況を表す統計です。また、景気悪化によって失業率は上昇するため、完全失業率は国内の景気の動向を知るための指標のひとつとなっています。昨年6月15日のコラムでは有効求人倍率について説明しましたが、今回は完全失業率について、総務省統計局「労働力調査」(令和3年1月29日)の中で令和2年(2020年)平均の数字が公表されましたので、公表された数字をもとに説明します。

 

■完全失業率とは

完全失業率とは、労働力人口(15歳以上の働く意欲のある人)に占める完全失業者(仕事を探しても仕事に就くことのできない人)の割合のことを指します。具体的には、以下のように計算します。

(完全失業者÷労働力人口)×100=完全失業率(%)

完全失業率は、国内の就業状況・失業者・失業率を把握するため、総務省統計局が毎月実施している労働力調査の統計指標で、数値は当該月の翌月末に公表されます。

また、完全失業者とは、年齢が15歳以上である人口のうち以下の3つの要件を満たす人のことを指します。

1.仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった。(就業者ではない)

2.仕事があればすぐ就くことができる。

3.調査期間中に、仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた。

(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む)

 

■令和2年(2020年)の数字について

総務省統計局が本年1月29日に公表した完全失業率のここ数年の推移ですが

2018年 2.4%

2019年 2.4%

2020年 2.9%

となっています。昨年の2.9%という数字は2017年以降の高い値となっています。

 

また、昨年の12月の月次の数値(季節調整値※)は2.9%で、前月と同率となっています。率ではおおよその人数が分からないため数で表すと、昨年12月の完全失業者数は194万人で前年同月に比べ49万人の増加となり、11か月連続の増加となっています。

 

■今後の予測

現在の雇用調整助成金も1975年に『雇用調整給付金』として創設されたのち、1981年に『雇用調整助成金』、2008年12月には雇用調整助成金を見直し、中小企業向けに『中小企業緊急雇用安定助成金』を創設、そして2013年にまた『雇用調整助成金』に再統合されました。このときに支給率や支給要件等が改定されました。

2008年9月にあったリーマン・ショック後の完全失業率の上昇幅と比べてもコロナ禍における失業率は抑制されています。その要因として、コロナ禍においては、雇用調整助成金等といった補償が挙げられるのではないでしょうか?統計局が発表している数値でみますと、2012年は休業者数が月平均127万人でしたが、2020年の月平均は257万人と倍以上の数値となっています。

この国会で改正特別措置法が成立し、2021年2月3日公布、13日施行となりました。施設の使用制限や営業時間の短縮等に対する要請をして、正当な理由もなく応じない場合は、事業者に対し行政罰としての過料が設けられました。付帯決議の中で、事業者への財政支援について「要請による経営への影響の度合い等を勘案し、必要な支援となるよう努める」などとしていますが、事業者に対する補償等具体的な対策を講じることが今後の失業率上昇を抑制するカギとなるように思います。

豆知識:※季節調整値とは・・・

月次統計には、例えば農林業就業者が春から夏にかけて増加し、秋以降減少していくといった季節的な要因で毎年同じような動きをするものがあり、これを 「季節変動」と呼んでいます。 月次統計を分析する際、「原数値」によって1年前の同じ月と比較する場合にはこうした季節変動を考慮する必要はありませんが、例えば前月や前々月と比較する場合には、原数値に季節変動による変化分が含まれるため、雇用失業情勢や景気変動などをみる上では季節変動の影響を除く必要があります。そこで,原数値から季節変動を除去した結果数値である「季節調整値」を公表しています。