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高年齢者の雇用状況と労働災害発生状況について

高年齢者の雇用状況と労働災害発生状況について

~令和8年4月より高年齢者の労災防止措置が努力義務に~

 

厚生労働省が発表した令和7年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果によると、定年を65歳以上としている企業(定年制の廃止企業を含む)は34.9%で2.3ポイント増加しています。特徴的なのは定年を60歳とする企業割合は2.2ポイント減少、定年を65歳とする企業は2.0ポイント増加している点です。

昨今の採用難、人手不足や企業内の年齢構成の高齢化等の要因により定年を65歳まで引上げ、人員確保に動いていることが推測されます。

 

 

また、70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は、報告した企業全体の34.8%で2.9ポイント増加(中小企業2.8ポイント増、大企業4.0ポイント増)しています。高年齢者雇用安定法による70歳までの就業機会確保(努力義務)への対応という要因もありますが65歳超の人員確保も着実に進んでいることがわかります。

雇用者全体に占める60歳以上の高年齢者の割合は、年々増加し令和6年は19.1%(労働力調査_総務省)となっています。高年齢者の雇用にあたり留意すべき事項の一つは労働災害です。高年齢者は身体機能が低下すること等により、若年層に比べ労働災害の発生率が高く、休業も長期化しやすいことが分かっています。

採用難や人手不足といった企業と年金支給開始が65歳となり60歳以降も働く必要がある労働者の事情も相まって今後も60歳以上の高年齢者の割合は増加していくことが見込まれます。

また、令和8年4月より改正労働安全衛生法が施行され高年齢労働者の労働災害の防止を図るため、高年齢労働者の特性に配慮した作業環境の改善、作業管理その他の必要な措置を講ずることが事業者の努力義務となりますので、定年の引上げ等を検討、実施する際は現状を見直しあらためて労働災害防止を図るための職場環境改善等の対策に取り組むことが求められます。

 

出典:令和7年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します|厚生労働省

令和6年の労働災害発生状況を公表|厚生労働省

以 上

執筆者  谷町 ハジメ(ペンネーム)

大学卒業後、服飾雑貨の販売に従事。労務管理に興味を持ち社労士試験に挑戦。
平成16年に社労士資格取得。その後、約20年にわたり、人事・労務管理の業務に携わっている。