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雇用調整助成金について(5/11現在)

コロナ関連のニュースでよく取り上げられている雇用調整助成金とは、「景気の変動、産業構造の変化などに伴う経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされた事業主」が一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用の維持を図る場合に、休業手当、賃金などの一部を助成するものです。

その助成金を今回の「新型コロナウイルス感染症の影響によって、事業活動の縮小を余儀されなくなった事業主(全業種)」と読み替えた上で、今まで受給する為に必要であった様々な要件を緩和し、さらに申請手続きも大幅に簡素化し、期間制限を設けた上で「特例措置」として整備されています。
それでは対象事業主に該当する場合の助成額を算出してみましょう。最後に必要書類一覧も記載致しましたので、ご参考にしてください。

では早速要件を見てみましょう。
対象事業主
1.雇用保険適用事業所であること(事業所設置後1年未満でも対象)
2.売上高・生産量などが前年同月比5%以上減少していること
対象者
雇用保険被保険者(特例により雇用保険の被保険者でない従業員も対象。緊急雇用安定助成金)
助成額(現行)
休業手当に相当する額(※)の4/5(中小) 2/3(大企業)
但し、解雇等発生させない場合9/10(中小) 3/4(大企業)
(※)従業員に支払った休業手当の金額そのものではなく、下記の計算式により算出
①まず雇用保険適用事業所全体の平均賃金額(1人1日分)を算出します。
②助成単価=会社全体の平均賃金額(1人1日分)×休業手当等の従業員への支給率(休業協定書にて決定)×助成率(例9/10)
③会社への助成金支給合計=上記②で算出された助成単価(但し上限8,330円)×月間休業等延日数

従業員への支給額とは異なりますので、ご注意ください。具体的な例を挙げますので、ご参考にしてください。
なお、現時点で助成額の算定方式を簡素化するという発表が出ておりますので、以下の計算式から変更になる可能性が高いです。発表されている簡素化された計算式は■助成額(5月6日厚生労働省HPより。現在検討中。)をご参照ください。

例)3名の従業員を5日間休ませた場合
まず、申請できる助成金の算定を行いましょう。
【助成金の算定】下記の①と②は例で助成率は中小企業で考えています。
①会社全体の平均賃金額(1人1日分) 8,000円
②休業手当等の従業員への支給率 70%
③1人当たりの助成金支給額  ①8,000円×②70%×9/10(助成率)=5,040円
3(名)×5,040(円)×5(日)=75,600円の申請が可能
次に従業員に支払う休業手当の算定を行います。
【休業手当の算定】例として月給:200,000円 所定労働日数:20日と仮定します。
①従業員一人一人の平均賃金(日給)   労働者A→5,000円(日給)
労働者B→7,000円(日給)
労働者C→10,000円(日給)
②休業手当の従業員への支給率 70%
③1人1日当たりの休業手当       ①労働者A→5,000円×②70%=3,500円
①労働者B→7,000円×②70%=4,900円
①労働者C→10,000円×②70%=7,000円
(3,500円+4,900円+7,000円)×5(日)=77,000円の支給が必要
平均賃金の計算方法については、別記事にて解説させていただきます

考え方としては、申請できる金額と実際に支給金額の差が生じ、上記例では77,000円-75,600円=1,400円 が実質会社の負担となります
※助成率は中小企業と大企業では異なりますのでご注意ください。

■助成額(5月6日厚生労働省HPより。現在検討中。)
1.小規模の事業主(概ね従業員20人以下)
小規模の事業主については、「実際の休業手当額」を用いて、助成額を算定。
※ 「実際に支払った休業手当額」×「助成率」=「助成額」とします。

2.小規模の事業主以外の事業主
小規模の事業主以外の事業主についても、助成額を算定する際に用いる「平均賃金額(1人1日分)」の算定方法を大幅に簡素化。
(1) 「労働保険確定保険料申告書」だけでなく、「源泉所得税」の納付書を用いて平均賃金額(1人1日分)を算定。
(2) 「所定労働日数」を休業実施前の任意の1か月をもとに算定。
こちらについては、まだ決定しておりませんが、後日詳細について発表があるとのことです。

 

最後に必要な書類を記載致します。(雛型・記載例は厚生労働省のHPにあり)
[計画届申請時] ※初回のみ必要
1.休業実施計画(変更)届(様式第1号(1))
2.雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書(新型コロナウイルス感染症関係)(様式特第4号)
3.休業協定書
4.事業所の状況に関する書類(労働者名簿等の事業所が中小企業に該当しているか否かの確認等のための書類)
6/30までは計画届は事後申請が可能です。

[支給届申請時]
1.支給要件確認申立書・役員等一覧(様式特6号)
2.(休業等)支給申請書(様式特7号)
3.助成額算定書(様式特8号)
4.休業・教育訓練実績一覧表(様式特第9号)
5.労働・休日の実績に関する書類(労働日・休日及び休業の実績の確認のための書類)
6.休業手当・賃金の実績に関する書類(休業手当・賃金及び労働時間の確認のための書類)

尚、他にも教育訓練等の助成金もございます。また、助成要件がさらに緩和されるとのことですので、申請時には厚生労働省のHPをご参考にしてください。
ご不明な点がございましたら、弊社までご連絡ください。